外壁塗料の種類を用語で解説|アクリル・シリコン・フッ素・無機と下塗り材の違い

外壁塗料の用語解説

シリコン、フッ素、無機、水性、2液、シーラー、フィラー。
見積書に並ぶ塗料の言葉を、ひとつずつやさしく解説します。

外壁塗装の見積書を見て、「シリコン」「フッ素」「水性2液形」「微弾性フィラー」などの言葉が並んでいて、違いがよくわからないと感じたことはありませんか。外壁塗料の種類は、大きく分けると①上塗り塗料の主成分(樹脂)の違い、②水性か溶剤か、③1液か2液か、④下塗り材の種類という4つの軸で整理できます。この4つの軸がわかると、見積書の塗料名から、どんな性質の塗料なのかをおおよそ読み取れるようになります。

この記事では、外壁塗料に関わる用語を、分類ごとに解説します。日差しが強く、雨と湿気が多い沖縄で塗料を選ぶときに、どんな点を見ればよいかもあわせて紹介します。

外壁塗料の基本用語|塗膜と3回塗り

塗膜(とまく)

塗料が乾いて固まり、外壁の表面にできる膜のことです。外壁塗装の役割は、この塗膜で外壁を紫外線や雨から守ることにあります。塗膜が劣化すると、防水性が落ち、ひび割れや汚れが目立つようになります。

下塗り・中塗り・上塗り

外壁塗装は、一般的に3回に分けて塗ります。最初に塗る「下塗り」は、外壁と仕上げの塗料をしっかりくっつけるための層です。「中塗り」と「上塗り」は、仕上げの塗料を2回に分けて塗り、必要な厚みの塗膜をつくります。中塗りと上塗りには、同じ塗料を使うのが一般的です。

外壁塗装の塗膜の重なり(下地・下塗り・中塗り・上塗り)と、上塗り塗料の主な種類を整理した図解
図解:合同会社アインツベルン作成

塗布量(とふりょう)

1平方メートルあたりに塗る塗料の量のことです。塗料ごとにメーカーが決めた量があり、これを守ることで、想定どおりの厚みと性能の塗膜になります。薄く塗りすぎると、塗料本来の性能が出にくくなります。

乾燥時間(塗り重ね乾燥時間)

一度塗ってから、次の層を塗り重ねられるまでの時間です。気温や湿度によって変わり、湿度の高い日は長めに取る必要があります。乾燥が不十分なまま塗り重ねると、剥がれやふくれの原因になります。

上塗り塗料の種類|主成分(樹脂)で分ける

塗料は、色のもとになる顔料と、それを固めて膜にする樹脂、塗りやすくするための溶剤(水やシンナー)などでできています。外壁塗料の「シリコン」「フッ素」といった呼び方は、主に樹脂の種類を表しています。一般的な特徴を比べると、次のようになります。

種類主な特徴耐候性の傾向価格の傾向
アクリル樹脂系発色がよく、扱いやすい。外壁の塗り替えで選ばれることは少なくなっている比較的短い安め
ウレタン樹脂系柔らかく密着性がよい。細かな部分や付帯部に使われることも多い中程度比較的安め
シリコン樹脂系耐候性と価格のバランスがよく、外壁の塗り替えでよく選ばれる比較的長い中程度
フッ素樹脂系紫外線に強く、汚れが付きにくい製品が多い長い高め
無機系無機成分を配合し、紫外線による劣化を受けにくくした塗料長い高め

※表は一般的な傾向です。同じ種類でも、メーカーや製品によって性能は異なります。

耐候性とは、紫外線や雨、温度の変化にさらされても、塗膜の色や光沢、防水性を保つ力のことです。一般に、耐候性が高い塗料ほど価格も高くなる傾向があります。どの塗料を選ぶかは、「次の塗り替えまで、どのくらいの期間を見込むか」「今後その家に何年住む予定か」といった暮らしの計画とあわせて考えるとよいでしょう。

ラジカル制御形

塗膜を劣化させる原因の一つである「ラジカル」という物質の発生を抑えるように工夫された塗料です。紫外線が当たると、顔料(とくに白色の酸化チタン)からラジカルが生まれ、樹脂を傷めてチョーキングなどの原因になります。ラジカル制御形は、この働きを抑えることで、塗膜の劣化を遅らせることをねらっています。

遮熱塗料(しゃねつとりょう)

太陽の光に含まれる赤外線を反射しやすくし、外壁や屋根の表面温度が上がるのを抑える塗料です。日差しの強い沖縄では関心が高い塗料の一つです。遮熱塗料の考え方は、外壁塗装で後悔しないための遮熱塗料の考え方で詳しく解説しています。

水性塗料と溶剤塗料|うすめる液体の違い

比べる項目水性塗料溶剤塗料(油性)
うすめる液体水シンナーなどの有機溶剤
におい比較的少ない強めのにおいが出やすい
密着性・耐久性製品の改良が進み、外壁の塗り替えで広く使われている密着性が高く、金属部などにも使われる
気をつけたい点乾燥が気温や湿度の影響を受けやすい近隣へのにおいへの配慮が必要

住宅が密集した地域では、においの少ない水性塗料が選ばれることが多くなっています。一方で、下地の状態や塗る場所によっては、溶剤塗料のほうが適している場合もあります。「弱溶剤」と呼ばれる、においを抑えた溶剤塗料もあります。

1液形と2液形|混ぜて使うかどうか

1液形(いちえきがた)

缶を開けて、そのまま(または水やシンナーでうすめて)使える塗料です。使い勝手がよく、余った塗料も保管しやすいのが特徴です。

2液形(にえきがた)

主剤と硬化剤の2つを、使う直前に決められた割合で混ぜて使う塗料です。化学反応で硬くなるため、一般に密着性や耐久性が高くなりやすい一方、混ぜたあとは使える時間が限られ、配合を正確に守る必要があります。

ポイント:見積書の「水性2液形シリコン」という表記なら、「水でうすめる」「主剤と硬化剤を混ぜる」「シリコン樹脂系」の塗料という意味になります。

見積書の塗料名を見ても違いがわからないときは、お気軽にご相談ください。
合同会社アインツベルンでは、現地調査・お見積もりを無料で行っています。
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下塗り材の種類|シーラー・プライマー・フィラー

下塗り材は、仕上がると見えなくなりますが、塗膜の長持ちを左右する大切な材料です。外壁の素材や傷み具合によって、使い分けます。

シーラー外壁にしみ込んで表面を固め、上塗りとの密着をよくする下塗り材です。吸い込みの多い外壁に使われます。
プライマー素材と塗料をくっつける役割の下塗り材で、とくに金属部やシーリングの施工前などに使われます。
フィラー厚みのある下塗り材で、外壁の細かな凹凸やヘアクラックを埋めて表面を整えます。
微弾性フィラーフィラーに弾力を持たせたもので、細かなひび割れが出やすいモルタルやコンクリートの外壁に使われます。

コンクリートの外壁が多い沖縄の一戸建てでは、細かなひび割れをすり込みながら下地を整えるために、微弾性フィラーなどが使われることがあります。ひび割れが大きい場合は、下塗りの前にUカットなどの補修が必要です。ひび割れ補修の方法は外壁のクラック(ひび割れ)補修とは?で解説しています。

仕上げに関わる用語|艶・弾性・低汚染

艶あり・艶消し(光沢の度合い)

塗膜の光沢の度合いです。艶ありは光沢があり汚れが付きにくい傾向、艶消しは落ち着いた見た目になります。製品によっては「7分艶」「5分艶」「3分艶」など、中間の光沢を選べるものもあります。

弾性塗料

ゴムのように伸び縮みする塗膜をつくる塗料です。外壁に細かなひび割れが出ても、塗膜が伸びてひびを覆い、雨水の浸入を防ぐことをねらっています。ただし、ふくれが起こりやすい条件もあるため、外壁の状態に合わせて選びます。

低汚染形

塗膜の表面に汚れが付きにくい、または雨で汚れが流れ落ちやすいように工夫された塗料です。雨の多い沖縄では、雨だれの跡やカビ・コケの付きにくさを重視して選ばれることもあります。

防カビ・防藻(ぼうそう)

カビや藻(コケ)が生えにくくなる成分を配合した塗料です。日当たりの悪い北側の壁や、湿気のこもりやすい場所で検討されることがあります。

塗膜の劣化に関わる用語|塗り替えのサインを知る

塗料の種類とあわせて知っておきたいのが、塗膜が傷んだときに使われる言葉です。現地調査の説明や報告書でよく出てくる用語を整理しました。

用語どんな状態か考えたいこと
チョーキング外壁を手でこすると、白い粉(顔料)が付く塗膜の樹脂が紫外線で劣化しているサイン。塗り替えの目安の一つ
退色・変色色があせる、色味が変わる見た目の変化。日当たりのよい面から先に起こりやすい
ヘアクラック塗膜や表面に入る細いひび塗り替え時に下塗り材ですり込んで整える
ふくれ塗膜が風船のようにふくらむ塗膜の下に水分や空気が入っている可能性。原因を確かめて補修する
剥がれ(剥離)塗膜がめくれて、下地が見えている防水性が失われている状態。早めの補修を考える
白華(はっか)コンクリートの表面に白い結晶が出る(エフロレッセンスとも呼ぶ)内部に水が入り、成分がしみ出しているサイン。水の入り口を確認する

どの塗料を選ぶかを考える前に、今の外壁にどの症状が出ているかを知っておくと、下塗り材や補修の方法を決めやすくなります。

外壁以外の部分に使う塗料|付帯部の用語

外壁塗装では、外壁だけでなく、まわりの細かな部分(付帯部)も一緒に塗ることが多くあります。付帯部は素材が違うため、外壁とは別の塗料や下塗り材を使います。

鉄部(手すり・門扉など)錆を落とす「ケレン」を行い、錆止め塗料を塗ってから仕上げます。海に近い家では、錆の進み方に注意が必要です。
雨どい・樹脂部分塩化ビニールなどの樹脂には、密着をよくするための下地処理をしてから塗ります。
木部(破風・軒天など)木の伸び縮みや湿気に合わせた塗料を選びます。傷みが進んでいる場合は補修や交換も検討します。
軒天(のきてん)屋根の裏側の天井部分です。湿気がこもりやすいため、防カビ性のある塗料が選ばれることがあります。

見積書では、付帯部が「一式」でまとめられていることもあります。どの部分を、どの塗料で、何回塗るのかを確認しておくと、工事後の「ここは塗っていなかった」という行き違いを防げます。

沖縄で外壁塗料を選ぶときに見たいこと

気象庁の平年値(1991〜2020年、那覇)では、年間の日照時間は1,727.1時間、年間降水量は2,161.0mm、平均相対湿度は73%です。強い日差しと、雨と湿気の多さの両方を考えて塗料を選ぶことが大切です。

気になる条件注目したい性質関係する用語
強い日差し・紫外線色あせやチョーキングの起こりにくさ耐候性、フッ素、無機、ラジカル制御形
室内の暑さ表面温度の上がりにくさ遮熱塗料
雨・湿気・カビ汚れやカビ・コケの付きにくさ低汚染形、防カビ・防藻
細かなひび割れひびへの追従性と下地の整えやすさ微弾性フィラー、弾性塗料
海に近い立地塩分を落とす洗浄と、金属部の防錆高圧洗浄、錆止め、プライマー

どんなに性能の高い塗料でも、下地処理や塗布量、乾燥時間が守られていなければ、本来の性能は発揮されません。塗料の種類とあわせて、どのような工程で塗るのかも確認しましょう。

見積書の塗料欄でチェックしたいこと

  1. 製品名が書かれているか:「シリコン塗料」だけでなく、メーカー名と製品名がわかると、性能を確認しやすくなります。
  2. 下塗り材も書かれているか:上塗りだけでなく、下塗りに何を使うかも確認します。
  3. 塗り回数:下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りになっているかを確認します。
  4. 塗る場所ごとの塗料:外壁、屋根、鉄部、雨どいなど、場所ごとに使う塗料が違うことがあります。
  5. 色と艶:色見本だけでなく、艶の度合いも確認しておくと、仕上がりのイメージ違いを防げます。

合同会社アインツベルンの外壁塗装

合同会社アインツベルンは中城村を拠点に、沖縄本島全域で外壁塗装・塗り替え、屋上防水・シーリング、クラック補修、防音工事を行っています。

  • 現地調査・お見積もり無料:外壁の状態を確認し、塗料の種類と特徴をご説明します。
  • 自社施工:外注に出さず、自社で施工します。
  • 工事内容に応じた保証:工事の内容に合わせた保証をお付けしています。
  • 丁寧な施工:塗布量と乾燥時間を守り、下地処理も丁寧に行います。

当社の取り組みは5つの安心ポイントでもご紹介しています。

よくある質問

結局、どの塗料を選べばよいですか?
外壁の素材や傷み具合、日当たり、次の塗り替えまでの計画によって変わります。耐候性と価格のバランスを見ながら、ご自宅に合うものを一緒に選ぶのがおすすめです。
フッ素や無機の塗料なら、必ず長持ちしますか?
一般に耐候性の高い塗料ですが、下地処理や塗布量、乾燥時間が守られていないと、本来の性能が出にくくなります。塗料の種類と施工の内容の両方が大切です。
水性塗料は、雨の多い沖縄でも大丈夫ですか?
外壁用の水性塗料は、乾燥して塗膜になれば雨に強くなります。ただし、乾燥前に雨が当たらないよう、天気を見て作業することが大切です。
今の外壁と違う種類の塗料を塗っても問題ありませんか?
多くの場合、適切な下塗り材を選べば塗り替えできます。ただし、今の塗膜の種類や状態によっては相性の問題が出ることもあるため、現地で確認してから決めます。
見積書に「同等品」と書かれているのはどういう意味ですか?
指定の製品と同じくらいの性能を持つ別の製品を使う可能性がある、という意味で使われることがあります。どの製品になるのか、事前に確認しておくと安心です。
色を選ぶときに、塗料の種類で気をつけることはありますか?
同じ色名でも、塗料の種類や艶の度合いによって見え方が変わることがあります。小さな色見本だけでなく、大きめの見本や実際の外壁での見え方も確認するのがおすすめです。
屋上やベランダの床も、外壁と同じ塗料ですか?
屋上やベランダの床は、人が歩いたり水がたまったりするため、外壁用の塗料ではなく防水材を使うのが一般的です。外壁の防水の考え方は外壁リフォームで大切な「防水対策」についてもご覧ください。

まとめ|用語がわかれば、塗料の比べ方が見えてくる

外壁塗料は、主成分(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機)、水性か溶剤か、1液形か2液形か、下塗り材の種類という4つの軸で整理できます。見積書の塗料名をこの軸で読み解くと、それぞれの塗料の性質や違いがわかりやすくなります。

当社の外壁塗装の進め方や特長は、「沖縄の外壁塗装・塗り替え」のページにまとめています。

日差しが強く、雨と湿気の多い沖縄では、耐候性に加えて、汚れやカビの付きにくさ、ひび割れへの追従性なども選ぶときの手がかりになります。わからない言葉があれば、遠慮なく施工会社に質問してみてください。

ご自宅に合う塗料の種類を、外壁の状態を見ながら一緒に考えませんか。

現地調査・お見積もりは無料です。

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参考資料:気象庁「平年値(年・月ごとの値)那覇」(https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=91&block_no=47936)/日本産業規格 JIS K 5658「建築用耐候性上塗り塗料」(日本産業標準調査会 https://www.jisc.go.jp/)
※塗料の性能は製品ごとに異なります。実際の選定は、メーカーの仕様と現地の状態をもとに行います。
文:合同会社アインツベルン